肥満または太り過ぎの男女1,022名
(32〜70歳)を対象に
①食事制限のみ
②運動のみ
③食事制限+運動による短期(3〜6ヶ月)
の体重の減少効果について解析が行われました。食事制限はエネルギー摂取制限が行われ、運動は週3〜5回、中程度から高強度のウォーキングやジョギングが行われました。
結果
①食事制限のみのグループと
③食事制限+運動のグループでは、
食事制限+運動のグループで体重が減少しやすい傾向が認められましたが、両グループに有意な差は認められませんでした。
また
②運動のみのグループと
③食事制限+運動のグループでは、
③食事制限+運動のグループで体重減少の効果が認められました。
これらの結果は、
短期間のダイエットでは食事制限のみでも、
食事制限に運動を加えても体重減少の効果に差がないことを示おり、
運動のみよりも運動に食事制限を加えたほうが体重減少の効果が高いということは、
短期間のダイエットにおける食事制限の重要性を示しています。
ダイエットを始めてから半年間という短期間では、食事制限のみに注力しても十分に体重を減少させる可能性が示唆されています。
[ダイエット初期のフェーズは痩せやすい]
ペニントン生物医学研究センターのHeymsfieldらは、ダイエットを行う被験者を対象に、ダイエット開始から24週間(6ヶ月間)における体重1kgを減らすためのエネルギー量を計測しました。
結果
体重1kgを減らすためのエネルギー量は、
ダイエット開始から4週目が平均4,858kcal
であるのに対して、
6週目には6,041kcalに増加し、
24週目には7,000kcalに近づくことが
示されました(Heymsfield SB, 2012)。
ダイエット初期に生じる体重減少は、主に水分やグリコーゲン、タンパク質の損失。
後期のフェーズに入るとようやく脂肪が減少していくからです。
このようなフェーズによる体重減少の因子の異なりにより、体重1kgを減らすためのエネルギー量が異なります。
よって
食事制限と運動を組み合わせることで、
エネルギー摂取量を減らし、エネルギー消費量を増やし、
マイナスのエネルギーバランスを大きくして体重の減少を促進します。
ダイエット初期では、
体重1kgを減らすためのエネルギー量が比較的少ないことから、食事制限のみでも十分にダイエット効果が期待できるのです。